14: 海の豊かさを守ろう
- Leo Nagasaki
- 5月28日
- 読了時間: 4分
“海の資源を守り、大切に使おう”

私たちが使っているペットボトルやビニール袋などの
プラスチックゴミが年間900万~1400万トン
海に流れ出ています。
”海の豊かさを守ろう”とは



現状はどうなの?
データで見る海洋汚染
世界220の沿岸地域の水質を得点で表すと?(0点=汚染がひどい⇔100点=水がきれい!)

以下は、2012年6月に開催された「国連持続可能な開発会議」(「リオ+20」)で示された、海洋汚染に関わるデータです。
世界の海洋汚染の約80%は、陸の活動で発生した汚染(農業活動による流出物、栄養素や農薬の排出、プラスチックを含む未処理の下水など)によるもの。処理されることなく排出される農業排水、沿岸の観光、港湾の開発、河川のせき止め、都市開発と建設、鉱業、漁業、養殖業、および製造は、沿岸および海洋にくらす生き物の生態を脅かす海洋汚染の原因となっています。
下水や農業排水に含まれる過剰な栄養素が海に流出することで、ほとんどの海洋生物が生存できなくなる「デッドゾーン」と呼ばれる低酸素(貧酸素)地域の数が増えています。現在、世界中で500近くのデッドゾーンが確認されており、その面積は24万5000km²以上に及び、イギリスの国土の広さとほぼ同じくらいです。
毎年2億2000万トンを超えるプラスチックが生産されています。プラスチックは、非常に便利なものです。とても軽いので、様々なもののパッケージに利用されるほか、電話、コンピューター、医療機器などにも欠かせません。しかし、適切な廃棄方法が検討されていないことがよくあります。
国連環境計画は2006年に海の1平方マイルごとに4万6000個の浮遊プラスチックが含まれていると推定しました。廃棄されると、プラスチックは風化し、マイクロプラスチックと呼ばれる非常に小さな破片になります。これらは、プラスチック製のペレットとともに、世界中のほとんどの海岸ですでに見られます。プラスチックの破片により、毎年100万羽以上の海鳥と10万以上の海洋哺乳類が死んでいます。
世界の下水処理の現状
高所得国では、平均して、生活排水や産業排水の約70%を浄水処理してから排出しています。しかしその比率は、中所得国の中でも上位の国では38%、中所得国の中でも下位の国では28%にまで低下します。そして、低所得国では、わずか8%しか浄水処理がされていません。世界全体で見てみると、家庭からの排水や産業排水の約80%が未処理のまま、川や海に垂れ流しになっていることになります。高所得国では、環境を守るため、そして水不足の時には浄水した水を再利用できるようにするために、高度な浄水処理を整えています。しかし、そうしたインフラを整える資金や技術がなかったり、排水を規制する法律や制度がなかったりする開発途上国では、生活排水や産業排水を未処理のまま川や海に垂れ流すことは、一般的な慣行であり続けています。
海洋が酸性化している

海は私たちの生活にとってなくてはならない存在です。海から得られる食料は世界最大のタンパク質源であり、30億人以上が体に必要なタンパク質を海の恵みに頼っています。そして、30億人以上の人びとが海洋および沿岸の生物多様性を頼りにして生計を立てています※1。海は、魚介類などの食べものをえる場というだけでなく、私たちが暮らす環境も守ってくれています。地球の表面の4分の3を占める海。その海水の量は、地球上の水の実に97%にあたります。この海洋が、人間が生産する二酸化炭素の約30%を吸収し、大気中の二酸化炭素濃度を調整し、熱の吸収などを行うことで地球温暖化の影響を緩和しています。
しかし、今日、人間の活動によって大気中に出される二酸化炭素が増加し、海が以前より多くの二酸化炭素を水中に取り込むことで、海水の成分が酸性化する「海洋酸性化」が進んでいます。
海洋酸性化によって、たとえば、サンゴが死んだり、育たなくなったりすると、サンゴをすみかにしていたさまざまな別の生き物も影響をうけ、めぐりめぐって、多くの海洋生物が命の危険にさらされることになります。酸性化はすでに海の生態系に大きな影響をおよぼしていますが、この海洋酸性化は、大気へ排出される二酸化炭素の量が増えれば、それに応じてこれからも進むと言われています



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